簡単な数学の証明問題(の答え)
最近は数学ブームだとどこかで見ましたが、
私がいつも読んでいる竹書房の4コマでも、
「数学女子」という漫画が連載されております
- 作者: 安田まさえ
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2010/09/07
- メディア: コミック
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内容的には「数学科に通う女子大生のコメディ」なので、
特に数学の知識がなくても構わない漫画です
これをROのBlogで紹介するついでに、
ちょっとした数学の証明問題を出した*1のですが・・・
これの答えをあっちに書くと長くなりすぎるのと、
答えが別のBlogにあれば間違って見てしまうこともないだろう、ということで、
こっちに(私の想定した)解答を書いておきます
問題(再掲)
Q1. 百の位が0ではない三桁の自然数Aがある。 Aについて各桁の数字の和が9で割り切れるとき、 A自体も9で割り切れることを証明せよ。 Q2. 「10^n - 1」(nは自然数)が、9で割り切れることを証明せよ。 Q3. 1以上の任意の桁数の自然数N(ただし最高の桁の数字は0でない)がある。 Nについて各桁の数字の和が9で割り切れるとき、 N自体も9で割り切れることを証明せよ。
解答例
こういった連続した問題の場合、
前の問題が次の問題のヒントになっているものです
なので、順番に解いていけばおのずと答えが見えてきます
Q1.の答え
百の位・十の位・一の位の各数をa/b/c(ただしa>0、b>=0、c>=0)とすると、
「A=100*a+10*b+c」と表せる
これを変形すると以下のようになる
A = 100*a + 10*b + c = 100*a + 10*b + (a + b + c) - (a + b) = (100-1)*a + (10-1)*b + (a + b + c) = 99*a + 9*b + (a + b + c)
99や9が9の倍数であることは自明で、
題意よりa+b+cも9の倍数なので、Aは9の倍数である
Q2.の答え
帰納法で証明する
以下「f(n) = 10^n - 1」と定義する
n=1のときは以下のようになる
f(1) = 10^1 - 1 = 9
よって、f(1)は9の倍数である
続いてf(k)を9の倍数と仮定し、
f(k+1)とf(k)の差分を取ると以下のようになる
f(k+1) - f(k) = 10^(k+1) - 1 - (10^k - 1) = 10^(k+1) - 10^k = 10^k * (10 - 1) = 10^k * 9
よって、「f(k+1)=f(k)+9*10^k」が成立する
9*10^kが9の倍数であるのは自明であり、
f(k)は9の倍数と仮定しているから、f(k+1)も9の倍数である
以上により、任意の自然数nに対しf(n)は9の倍数である
Q3.の答え
Q1の考え方を応用する
i桁の自然数Nは以下のように表記できる
N = 10^(i-1) * a[1] + 10^(i-2) * a[2] + ... + 10^1 * a[i-1] + a[i] ただし、a[1]>0、a[k]>=0 、1 < k <= i
これをQ1同様に変形する
N = 10^(i-1) * a[1] + 10^(i-2) * a[2] + ... + 10 * a[i-1] + a[i] = 10^(i-1) * a[1] + ... + (a[1]+a[2]+ ... +a[i]) - (a[1]+...+a[i-1]) = (10^(i-1) - 1) * a[1] + (10^(i-2) - 1) * a[2] + ... (10-1) * a[i-1] + (a[1]+...+a[i]) = f(i-1) * a[1] + f(i-2) * a[2] + ... + f(1) * a[i-1] + (a[1]+...+a[i])
最後の定数項は題意より9の倍数であり、他の各項もQ2より全て9の倍数である
よって、Nも9の倍数である
以上が私の考えた解答ですが、もっと「美しい解答」があればぜひ(`・ω・´)ノ
蛇足ながら、Q2の式をさらに展開すると・・・
f(k+1) = 9*10^k + f(k) = 9*10^k + 9*10^(k-1) + f(k-1) ... = 9*10^k + 9*10^(k-1) + ... + f(1) = 9*10^k + 9*10^(k-1) + ... + 9
・・・こうなるので、f(n)がn個の9を並べた数字であることもわかりますね
*1:http://parrot.blog21.fc2.com/blog-entry-1969.html