終わってしまったのが寂しい漫画達(+1)
いつもはあえて「衝動買いした漫画」のネタを書いてますが、
今回は私が「名作」として自信を持っておすすめできる、
7〜8月発売の漫画をご紹介(´・ω・)っ
先に結論から書いてしまうと、これから紹介する4つの漫画に共通するのは、
「最後まで軸がぶれてないこと」なのかなと
(まだ終わってないのもありますが)
連載のスタート時に掲げたテーマというかコンセプトを、
最後の最後まで貫き通したからこそ、最後まで「普通に」読めたのではないかと
ある意味、「最後に意外な展開が!」とか「○万人が泣いた!」って要素は皆無です
当たり前のことが当たり前に積み重なって、じわっと染みこんでくる、
そんな感じの「名作」だと思います
どれも読み終わった後、「ああ、これで終わりなのか・・・」と、
ある種の喪失感を感じたほどです(´・ω・`)
そんなレベルの漫画ってなかなかないですよね・・・
- 作者: むんこ
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2010/07/17
- メディア: コミック
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そもそもこの「むんこ」の漫画*1に共通するテーマとして、
「家族愛」みたいなものがあると思うのですが、
これもストレートに「親子の絆」を表現した漫画です
だらしない父親に愛想を尽かして母親が出て行ってしまい、
小学生の娘が家事を切り盛りしつつ、ダメな父親の世話をするって話ですが、
二人の間にはしっかりとした信頼関係があります
普段あえて口にしないけれども、相手を思いやる気持ちみたいなものが、
なにげない二人のやりとりに現れています
そうしたさりげないエピソードの積み重ねによって、
二人の絆が深まっていったからこそ、
最後の(小さな)波乱の結末は当然のものと言えます
この漫画の全てを表しているのが、この最終巻の「あとがき」です
連載を読んでいたって方も、その「あとがき」を確認するために、
ぜひ読んでみてください
ちなみにこの作者さん、どうも昔カメラマンのアシスタントをしていたらしく、
まるで写真のように情景を切り取ったシーンがよく出てきます
そのシーンの中にいろいろと複雑なものが全部詰め込まれているからこそ、
この人の漫画に余計な台詞はいらないのかもしれません
- 作者: むんこ
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2010/08/17
- メディア: コミック
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この漫画を既存のカテゴリに当てはめるのは難しいのですが、
一応は「オフィスものの恋愛コメディ」でしょうか
でも、根本は「ダメ人間達が自分なりに一歩ずつ成長していく話」じゃないかと
正直、この漫画の面白さを伝える技量が私にないのですが・・・Σ(・ω・ノ)ノ
私自身、最初のうちはそこまで面白いと思ってなくて、
先ほどの「まい・ほーむ」ほど本気で読んでなかったのですが、
軌道に乗り始めてからは完全に引き込まれました
とりあえず、最終巻後半の展開がすごいです
人の複雑な想いを見事に表現していますが、
それも「積み重ね」から自然と生まれた「衝突」なのかも
これだけ読むとあたかも複雑で面倒な話に思えますが、
あくまで「4コマ漫画として面白いこと」を最後まで貫いてます
だから普通に読めるし面白いのです
「まい・ほーむ」もそうなのですが、この漫画も最後まで読んだところで、
「終わった感じ」はほとんどないと思います
じわっと盛り上がってすっと抜けていく感じで
でも、4コマって本来「いつまでも続きそうな日常を切り取ったもの」なので、
「まだまだ続きそう」ってのは当たり前なんですよね
登場人物達の「日常」が終わったわけではないのですから
どちらの漫画も、機会があればぜひ続編を書いてもらいたい*2ところですが、
育児が忙しそうだしな・・・(´-ω-)
- 作者: かかし朝浩
- 出版社/メーカー: ワニブックス
- 発売日: 2010/08/25
- メディア: コミック
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以前*3大絶賛した漫画の最終巻です
改めて同じことを書くのもあれなのですが、
とにかく完成度が高すぎですΣ(゚Д゚;≡;゚д゚)
史実を元にして見事にアレンジしていることもすごいですし、
登場人物の躍動感もすごいのですが、何より私が推したいのは、
最後まで「ツンデレおてんば娘のラブコメ」が貫かれていたことです
これだけ話の完成度が高いと、その完成度の高さを売りにしても良さそうなものですが、
あくまで話としては「おてんば娘が周囲を巻き込んで大騒ぎする話」だったり、
「微妙な関係の二人が繰り広げるラブコメ」なんですよね
完成された料理って、何がどうおいしいかわからないけど、
とにかく(゚д゚)ウマーというしかなかったりしますが、
そんな直接感情を揺さぶってくる感じの面白さというか・・・
とにかく、あまり古典とかよくわからんって方も、
「ツンデレおてんば娘のラブコメ」として普通に読めますので、
そういうのが好き*4なら絶対に読んでおくべきです
ほんと、この漫画が高校時代にあればな・・・(´・ω・`)
- 作者: 重野なおき
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2010/08/27
- メディア: コミック
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最後はまだ終わってない漫画です*5
この作者さんはずっと竹書房その他の4コマで見ていて、
普通に面白いと思ってましたが、この漫画に関しては別格です
先ほどの「暴れん坊少納言」同様、さまざまな史実を元にしつつ、
架空の人物を主人公にして、信長に関わる話を描いた漫画です
ただ、この漫画の恐ろしいところは、きっちり史実のエピソードを進めつつ、
あくまで「ギャグ漫画」を貫いているところです
つまり、一本一本の漫画にちゃんと「落ち」があるってことでして*6
史実をきっちり調べた上でアレンジして笑いに持っていっているだけに、
「落ち」がしっかり史実に絡んでたりするわけですよ
これは相当に難しいと思います
私も戦国時代は好きなので、真面目な伝記からから漫画まで、
さまざまな信長関連の作品を見てきましたが、
ここまでいろいろな意味で完成度の高い「歴史漫画」は初めてかもしれません
これも普通に「ギャグ漫画」として面白いですし、
枕草子や平安時代に比べれば、信長とか戦国時代の方がなじみがあるでしょうから、
まずは連載中の掲載誌で試しに読んでみてください*7
ということで、今回はお勧めの漫画を紹介してみましたが、
少なくとも後者の2作品は万人向けだと思いますので、
機会があればぜひ買ってみてくださいね(`・ω・´)ノ
*1:思えばこのBlogの初期に、この人の漫画を一通り紹介していたな・・・ http://d.hatena.ne.jp/parrot_studio/20090426/1240750077
*2:新作ならもっといい(*゚∀゚)=3
*3:http://d.hatena.ne.jp/parrot_studio/20100124/1264302088 参照
*4:蹴り飛ばされるのがむしろご褒美だったりする人・・・違うか(´・ω・`)
*5:そういえばこの漫画についても前に書いていたか・・・ http://d.hatena.ne.jp/parrot_studio/20090705/1246800394
*6:「むんこ」の漫画も4コマとしてきっちり落ちはあるのですが、日常を描いた漫画ということもあり、「ギャグ」というほどの笑いではない感じですか つまらないって意味ではなく、笑いの室が違うってことです
*7:面白かったら当然買ってください