PS3にPS2互換がなぜ必要か
PS3の互換性について、必要/不要が真っ二つに分かれてますが、
必要派の私が「なぜ必要か」について、個人的な事情を書いてみます
（今回はPS3のゲーム機能に絞った話をします
「BD再生機」とか「マルチメディアサーバ」という扱いはしません
そもそも、そんなのはPS3でなきゃダメってものでもないし）
- PS2とソフト一式は所持している
- 可能ならPS2のゲームをやる気はある
- しかし、TVがない
- PCにもビデオ入力できるようなのはない
- PCのディスプレイはFullHDの液晶
- 古いアップスキャンコンバータは持っている
- しかし、今のディスプレイの解像度には対応してないので使えない
- おかげでPS2は箱に入ったままだ
- PS3とPS2を二台並べるのは、部屋のスペース的にきつい
- だいたい、二台並べたら配線が面倒だ
- アップスキャンコンバータを使うならさらに面倒だ
- そもそも、PCだって配線があるし・・・
- 根本的な問題として、PS3のゲームでやりたいものが見当たらない
こんな人、わりといると思うのですが・・・
そんな私が今ほしいものは、「PCモニタに直につなげるPS2」なのです
これなら、配線も一本で済み、余計な機器もいらないわけですし
だからといって、もしSCEが「HDMI対応PS2」を出したとすると、
私のようなユーザが買い替えに走るでしょうけども、
それだけで終わってしまいます
ここで「HDMI対応PS3でPS2も遊べますよ」という話になると・・・
- これでPCモニタでPS2のゲームが遊べる
- 新型PS3は薄いから場所もとらない
- でも、せっかくPS3を買ったんだし、一本くらい何か・・・
- うぉ、PS3のゲームはこんなにすごいのかΣ（ﾟДﾟ；≡；ﾟдﾟ）
- PS1のゲームもダウンロードで買えるのか・・・
- もうPS2いらね（ ﾟДﾟ）ｙ─┛~~
・・・こうなるというか、少なくとも私はこうなる自信があります
つまり、SCEがやらなきゃならないのは、
「新しくPS3を買わせること」というよりは、
「PS2で満足している層に買い替えを促すこと」だと思うのです
最悪の場合、こういった層（＝PS2がつなげない層）が増えることで、
PS2のゲームすら売れなくなる可能性もあります
すると、今のPS3と同じように、
「売れないから出さない」という負のスパイラルが生まれます
こうなると完全に据え置きPSは終了です
そもそも、SCEが開発環境の整備を怠ったため、
メーカーが「逃げ出してしまった」のが不振の原因なのですが、
そこのところのテコ入れが見えないのもどうもね・・・
MSがVistaの失敗から「ユーザのためのWindows」を考え直し、
それがおそらくは大きな成功を呼ぶと思われますが、
そろそろSCEも「すごいんだから売れるはず」って発想はやめた方が・・・
おまけ
ゲーム機としてのPS3の話とはちょっと離れますが、
新型の「改悪点」と言ってもいいのが、
「他OSをインストールする機能を削ったこと」だと思います
ハードウェアよりはソフトウェア寄りの変更と思われますが、
だからこそ、さほどコストに関わらないこの機能を削ったのは何でだろうな、と
おそらく技術屋さんならご存知の通り、
PS3の処理性能は、メモリを使わない処理に限って言えば、
結構高いと思われます
そもそもPS3は並行処理に特化したアーキテクチャを持ってますので、
うまく並列処理に特化したコードが書ければ、
かなり実用的な機体として使えそうな気がします
（Erlangあたりが向いてそうと勝手に推測）
なので、NVIDIAがGPUの応用として提示しているように、
ある種のワークステーションとして使える可能性がありそうです
となると、大口でPS3を買う研究者とか現れても良さそうですが、
これこそがSCEにとって「悪夢」なのではないかと、
今日会社の人と話をしていて気づきました
なぜなら、おそらく新型のPS3も「売れるだけ赤字」だと思われるからです
むしろ、新しい筐体であの価格にした分、
さらに1台あたりの赤字幅が広がった可能性もあります
なので、ゲームを買わない人に大量に買われてしまうと、
PS3はビジネスとして成立しないことになります
（売れるだけ黒字の他のゲーム機とは対照的ですが・・・）
まあ、その事情は理解できるとしても、ですよ？
PS3を一種の「マルチメディアマシン」として買う人はたくさんいて、
そういう人はたぶんPS3のゲームを買わないかもしれません
ゲームの売り上げ利益に頼るこのやり方は、
以前のPS/PS2並みのシェアがあったから成立していたのであり、
今のシェアでは成り立たないと思うのですが・・・
